DMF登録とは
医薬品製品は、主に原料薬・添加物・包装で構成されております。
医薬品自体の薬事申請で治験や臨床研究で効能や安全性を評価するほか、
構成部分としての原料薬の効能と安全性、添加物・包装の安全性と効能への影響などの判断しなくてはいけません。
製薬企業が医薬品と共に原薬・薬品添加物・包装材を全ての要素を一括申請してしまうのは当然可能ですが、
市販薬・後発医薬品など大量に流通するものに関しては
原薬・薬品添加物・包装材メーカーが自身の製品を薬事当局へ登記し、
製薬企業が選んで使用いただくという形式の運用もあります。
これをアメリカではDMF(Drug Master File)、日本では原薬登記簿と言います。
このように、中国NMPAのDMFデーターベースに登記すれば、製薬会社は貴社の製品を中国で使用できるようになります。

日本やアメリカでは、原薬登記簿とDMFは任意登記となっていますが、
中国当局ではなるべく登記するようにと強く勧めているのが現状です。
対象製品
薬包材(医薬品包装)

- 中国語:薬包材
- 日本語:医薬品包装
医薬品を入れるためのもので、医薬品と直接接触するもの。例えば錠剤や注射剤などの容器・栓・蓋、乾燥剤などが該当する。
薬用補料(医薬品添加物)

- 中国語:薬用補料
- 日本語:医薬品添加物
製剤に含まれる有効成分以外の物質、賦形剤、安定剤、保存剤、緩衝剤、矯味剤、懸濁化剤、乳化剤、溶解補助剤、着色剤など。
原料薬(原薬)

- 中国語:原料薬
- 日本語:原薬
医薬品の有効成分に該当する低分子化合物など。例えば抗生剤の中には、細菌を殺傷・増殖阻害するための有効成分が入っています。
申請プロセス
会社情報・製品情報の確認します。中国で類似商品の承認状況も調査します。
見積もり段階で既に機密資料に触れるので、事前に秘密保持契約を結びます。
申請方針を固め、見積もりを出します。見積もり前に相談料が発生する場合があります。
全資料受領、申請資料を作成します。必要の場合は検査機関の手配をします。
不足資料の再請求、各資料の公証認証を行います。数回発生する場合があります。
NMPAへ正式提出します。
NMPAからの資料のフィードバックを対応します(発生の場合のみ)。
承認された際は、オンライン上で登記番号が発行されます。
事例
L社:プレフィルドシリンジ
- 申請分類:薬包材
- 代行・コンサル料:約290万円
- 公証・翻訳料:約10万円
- 検査費用:0円(海外データ代用)
- 所要期間:約6ヶ月
T社:食用可食性インク
- 申請分類:薬用補料
- 代行・コンサル料:約290万円
- 公証・翻訳料:約10万円
- 検査費用:0円(海外データ代用)
- 所要期間:約6ヶ月
M社:脂肪分解促進化合物
- 申請分類:原薬登記
- 代行・コンサル料:約480万円
- 公証・翻訳料:約20万円
- 検査費用:0円(海外データ代用)
- 所要期間:約12ヶ月



